耳を残した和紙色紙に『天狗と象』を描いたもの。
江戸時代からの諷刺画ですが、象が登場するのは以外に思われる方もおられるかもしれません。
享保13年、将軍吉宗の命でベトナムより象が長崎に届けられます。
長崎から江戸に向かう途中、京にも立ち寄り、宮中にも連れて行かれます。
この様子は、当然、街道の市民の目にも触れ、大勢の見物客で賑わったそうです。
そんな象と天狗とを並べ、鼻の長さを比べさせたのが、当時の大津絵師でした。
一見ただの滑稽画のようですが、絵には道歌が添えてあります。
「くらぶれば 長し短しむつかしや 我慢の鼻の置きどころなし」
“鼻が長い”=“高慢”を皮肉った絵ということです。
画像の色紙をお届けします。
縦280×横245(mm)
かなりしっかりした紙ですので、裏打ちせずにそのまま額に入れて飾ることができます。天面と裏板で挟みこむ洋風の額のようなタイプが適しています。
通常の色紙よりも少し大きいですので、色紙掛等を利用される場合はご注意下さい。厚みはありませんので、裏に厚紙を重ねられるなど、工夫が必要かもしれません。